アパマン札幌爆発事故の損害が全額補償されない可能性が高い理由




アパマンショップリーシング北海道が住民説明会を開いたが・・・

アパマンショップ平岸駅前店の店長が引き起こした札幌市豊平区の爆発事故について、運営会社「アパマンショップリーシング北海道」の社長が住民説明会を開きました。

アパマン「原状回復費は全額負担を検討」 札幌の爆発

札幌市豊平区の爆発事故で、出火元とみられる不動産仲介店の運営会社「アパマンショップリーシング北海道」(同市)は22日夜、初めての住民説明会を同区で開いた。終了後、佐藤大生社長らが報道陣の取材に応じ、被害補償について原状回復に必要な費用の全額を同社が負担する方向で検討していることを明らかにした。

説明会は現場のすぐそばにある15階建てマンション「ファミール平岸」の住民が対象で約80人が参加。報道陣には非公開だった。佐藤社長や同社代理人の中村隆弁護士の説明では、全42世帯のほぼ全てで窓ガラスの破損やサッシのゆがみなど、何らかの被害が生じている。

説明会では、佐藤社長が謝罪し、補償の手続きや補修工事のスケジュールを説明。同社は復旧費用を全額負担する方向で検討し、休業補償など法的に認められる補償範囲は全てカバーする考えだ。

(以下省略)

アパマン「原状回復費は全額負担を検討」 札幌の爆発(朝日新聞デジタル) – Yahoo!ニュースより引用)

社長の「検討」という発言は、歯切れが悪いですね。

社長が「検討」という言葉を使っているということは、社長自身が被害を全額補償できないことを認識している可能性があります。

確かに、ガス爆発に失火法の規定は適用されません。

だから、ガス爆発を引き起こしたアパマンショップ平岸駅前店の店長と「アパマンショップリーシング北海道」が賠償義務を免れることはできません。

しかしながら、筆者は、今回の爆発事故の被害は、全額補償されない可能性が高い、と見ています。

その理由をこれから述べていきます。




アパマンショップリーシング北海道の純資産は8287万円

アパマンショップリーシング北海道は、決算公告で貸借対照表を開示しています。

株式会社アパマンショップリーシング北海道

最新の決算公告(平成29年9月期)を見ていきましょう。

貸借対照表を見ると、純資産の金額は8287万円です。

つまり、アパマンショップリーシング北海道が賠償に当てることができるお金は、8287万円しかないということです。

今回の札幌爆発事故では、負傷者が52名、ビルを丸ごと吹っ飛ばす・・・など、被害は甚大です。

損害賠償額は、ざっと見積もっても、1億円は超えそうです。

残念ながら、アパマンショップリーシング北海道は、損害を全額賠償しようとすると債務超過に陥ってしまいます。

債務超過に陥れば、最悪の場合、倒産(破産、民事再生、会社更生)ということも考えられます。

被害者の方には気の毒ですが、事故の損害が全額補償される、とは考えない方が良さそうです。

追記(2018年12月25日)

2018年12月25日、「アパマンショップリーシング北海道」の決算公告(平成30年9月期)が開示されました。

株式会社アパマンショップリーシング北海道

2018年9月30日現在の純資産の金額は7588万円でした。前年より約700万円減っています。

全額補償の可能性が減ってしまいました。

追記終わり。




アパマン北海道の代理人弁護士は大物

「アパマンショップリーシング北海道」代理人弁護士は、中村隆氏です。

この方の経歴を見ると、北海道の弁護士業界では大物のようです。

    • 平成14年度
      札幌弁護士会副会長
    • 平成18年度
      北海道弁護士会連合会常務理事
    • 平成25年度
      札幌弁護士会会長
      北海道弁護士会連合会副理事長
      日本弁護士連合会常務理事
    • 平成26年度
      北海道弁護士会連合会理事長
      日本弁護士連合会常務理事
    • 平成28年度
      日本弁護士連合会副会長

中村 隆|札幌総合法律事務所より引用)

被害者側が損害を全額賠償してもらうためには、法律の知識タフな交渉が求められます。

弁護士に依頼するとしても、大物弁護士と交渉することになりますから、それなりの報酬がかかりそうです。




アパマン本社の謎のプレスリリース

平成30年12月21日
各 位

会 社 名 APAMAN株式会社
代表者名 代表取締役社長 大村 浩次
会 社 名 株式会社アパマンショップリーシング北海道
代表者名 代表取締役社長 佐藤 大生

「株式会社アパマンショップリーシング北海道」 と 「アパマンショップ加盟企業」 について

平成30年12月16日20時半頃、株式会社アパマンショップリーシング北海道(所在:北海道札幌市 代表取締役:佐藤大生)の運営するアパマンショップ平岸駅前店にて爆発事故が発生致しました。
爆発事故による被害に遭われた方々、周辺住民の方々、及び関係する全ての皆様に心よりお詫び申し上げます。
この度の爆発事故を起こしましたアパマンショップ平岸駅前店は、APAMAN株式会社の子会社である株式会社アパマンショップリーシング北海道(所在:北海道札幌市 代表取締役:佐藤大生)が運営する店舗です。全国に展開するアパマンショップブランドの多くの店舗は、APAMAN株式会社の子会社である
Apaman Network株式会社とフランチャイズ加盟契約を行なっている、“独立した企業”が運営しておりますことをお知らせ致します。
この度の爆発事故によって、多くの皆様に多大なご迷惑をおかけしておりますことを、重ねて深くお詫び申し上げます。
以上

「株式会社アパマンショップリーシング北海道」と「アパマンショップ加盟企業」についてより引用)

なぜこの時期に、アパマンショップの多くの店舗が独立した企業である旨のプレスリリースを出したのでしょうか。

アパマン本社(APAMAN株式会社)は責任を負わない、という意識の表れではないでしょうか。そう考える人は筆者だけではないでしょう。




追記:被害者に補償されるも、消臭スプレー未施工はどうなる?

2019年2月13日、APAMAN株式会社が、2019年9月期第1四半期の決算発表とともに、爆発事故に関するリリースを出しました。

実際に賠償を行った金額や建物復旧見積等より、被害総額として、1,007百万円を見積り、2019年9月期第1四半期累計期間(2018年10月1日~2018年12月31日)において、特別損失として計上しております。同金額には、本件事故に関連して被害者の方に賠償した、もしくは賠償する予定の金額、自粛により予定していたTVCMの放送を取りやめた費用や、対応の人件費等を含んでおります。なお、本件特別損失額については、現時点においては大きく変動するものではないと考えておりますが、今後、著しく変動する場合には改めてお知らせいたします。

APAMAN株式会社:札幌市豊平区の爆発事故に関する特別損益計上並びに役員報酬減額に関するお知らせより引用)

被害者の方にはちゃんと補償がされるようで、良かったです。

とはいえ、今回の爆発事故の発端は消臭スプレーの未施工です。

消臭スプレーの未施工問題についてAPAMANがどういう対応をとるつもりなのかは、明らかになっておりません。

仮に未施工のスプレー代の返金を求められた場合、APAMANの損失がさらに広がる可能性があります。

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