統合政府論を簡単な簿記で考える





※この記事は殴り書きなので、加筆修正する可能性があります。あしからず。


統合政府論とは

統合政府論とは、政府のバランスシートを見るときには、政府+中央銀行の連結ベースで見るべきである、という考え方です。

政府と中央銀行を合わせたものを、「統合政府」といいます。

統合政府論が一部の人から支持されている理由の1つが、中央銀行による国債引き受けを正当化することにあります。政府が国債を発行した場合、政府の債務が増えることになります。その国債を中央銀行が購入(引き受け)したとしても、政府単体では債務が残ることになります。しかし、「統合政府」で見れば、政府の発行した国債と中央銀行の発行した国債が相殺されてゼロになります。だから、中央銀行が国債をいくら引き受けても問題ない、と統合政府論の支持者は考えます。

簡単な簿記の仕訳で考える

中央銀行が紙幣を発行する

中央銀行
借方 現金(資産) 100 貸方 発行銀行券(負債) 100

政府が国債を発行し、中央銀行に全額引き受けさせる

中央銀行
借方 国債(資産) 100 貸方 現金(資産) 100

政府
借方 現金(資産) 100 貸方 国債(負債) 100

政府が道路を作る

政府
借方 道路(資産) 100 貸方 国債(負債) 100

政府が道路を減価償却する

政府
借方 減価償却費(費用) 100 貸方 道路(資産) 100

統合政府のバランスシート

中央銀行
資産 負債
国債 100 発行銀行券 100
負債計 100
純資産
資産計 100 純資産計 0

政府
資産 負債
国債 100
負債計 100
純資産
利益剰余金 -100
資産計 0 純資産計 -100

統合政府(中央銀行+政府)
資産 負債
発行銀行券 100
負債計 100
純資産
利益剰余金 -100
資産計 0 純資産計 -100

考察① 統合政府は債務超過

確かに、「統合政府」で見れば、国債が相殺されてゼロになりました。

しかし、「統合政府」は、発行銀行券という負債が残り、純資産がマイナスで債務超過の状態になってしまいました。

考察② 国債を時価評価した場合、中央銀行単体で見ても債務超過

「統合政府」ではなく、中央銀行と政府のバランスシートをそれぞれ単体で見ていきます。


中央銀行
資産 負債
国債 100 発行銀行券 100
負債計 100
純資産
資産計 100 純資産計 0

政府
資産 負債
国債 100
負債計 100
純資産
利益剰余金 -100
資産計 0 純資産計 -100

政府は、資産がゼロなので、負債としての国債の返済能力がありません。

そうなると、中央銀行が有している資産としての国債は、償還が見込めないということになりますので、価値がゼロになります。

中央銀行の有している国債を時価評価した場合のバランスシートは、次の通りです。


中央銀行
資産 負債
国債 0 発行銀行券 100
負債計 100
純資産
利益剰余金 -100
資産計 0 純資産計 -100

中央銀行単体のバランスシートは、純資産がマイナスとなり債務超過の状態になってしまいました。

統合政府論の問題点

統合政府論の問題点は、貨幣発行時にも貸借一致の原則が成立することを見落としている点にあります。

貸借一致の原則とは、仕訳の左側(借方)の金額と右側(貸方)の金額は必ず一致する、という原則です。

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