中国・習近平国家主席の「TPP参加を検討」
2020年11月20日、オンライン形式で開かれたAPEC(アジア太平洋経済協力会議)の首脳会議で、中国の習近平国家主席が環太平洋パートナーシップ協定(TPP)への参加に意欲を示した。
オンライン形式で開かれたAPECの首脳会議で、中国の習近平国家主席が環太平洋パートナーシップ協定(TPP)への参加に意欲を示しましたhttps://t.co/YRboNmno26
— Twitter モーメント (@MomentsJapan) November 21, 2020
中国の習近平国家主席が20日、アジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会議で、日本など11カ国による環太平洋パートナーシップ協定(TPP11)への参加を「積極的に検討する」と初めて表明しました。TPPを離脱した米国の反応が注目されます。https://t.co/zYJWwzuxsl
— 毎日新聞国際ニュース (@Mai_Intl) November 20, 2020
習主席「TPP参加を検討」 意欲表明は初 https://t.co/YIyQ70YeTr
日本や中国などの国・地域が参加するAPEC首脳会議がテレビ会議方式で開催された。新華社通信によると、中国の習国家主席は首脳会議での演説で、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)について「積極的に参加を検討する」と表明した。
— SankeiBiz (@SankeiBiz_jp) November 21, 2020
中国「TPPに意欲」 米の包囲網切り崩しへ先手 https://t.co/r3Mp2hWvZk
米国の外交戦略の方向性が定まらない中で、中国は「TPP」という対米牽制(けんせい)の新たなカードを手に入れようとしている。
— 産経ニュース (@Sankei_news) November 20, 2020
習主席の発言の原文
習近平国家主席のAPECでのビデオメッセージはこちら。
习近平在亚太经合组织第二十七次领导人非正式会议上的讲话(全文) — 中华人民共和国外交部(中国語)
Working Together for an Asia-Pacific Community with A Shared Future(英語)
上記の中国語原文より、TPP参加に言及した箇所を引用・翻訳した文章がこちらです。
中方欢迎区域全面经济伙伴关系协定完成签署,也将积极考虑加入全面与进步跨太平洋伙伴关系协定。
(中国は東アジア地域包括的経済連携の調印が完了したことを歓迎し、また、近いうちに環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTPP)に加入することを積極的に考えている。)
菅総理がTPP拡大を目指す方針を表明していた
2020年11月20日のAPECの首脳会議では、菅総理がTPP拡大を目指す方針を表明していた。
菅首相「東京五輪へ全力」 TPP拡大目指す―APEC https://t.co/GItnwteK5n
— 時事ドットコム(時事通信ニュース) (@jijicom) November 20, 2020
菅首相「TPP拡大で自由貿易を」 APECにメッセージhttps://t.co/tJPHT361p8
— 日本経済新聞 電子版 (@nikkei) November 20, 2020
菅総理のAPECでのビデオメッセージはこちら。
ムヒディン首相、ルーベン議長、御出席の皆様、
本日は、皆様にお話できる機会を頂き、誠にありがとうございます。
これまで私は、官房長官として、日本経済が低迷する中、金融緩和、財政出動、成長戦略を進めることで、雇用を約400万人増やし、観光や農産品輸出を大きく伸ばしてまいりました。昨年は地方の地価も27年ぶりに上昇しました。
これからも、総理として、ポストコロナに向かって、行政の縦割り、既得権益、悪しき前例主義を打破し、大胆な規制改革を進めて、新しい社会をつくります。
私の政権の優先課題は、デジタル化の推進と、グリーン社会の実現です。
新型コロナにより人々の行動様式が変わる中、デジタル化の加速が重要です。その司令塔としてデジタル庁を設立します。民間活力を利用するべく、デジタル化を阻む規制は抜本的に見直し、早急に取り組んでいきます。
グリーン社会の実現に向けて、日本は、2050年までに、温室効果ガスの排出を実質ゼロにする、脱炭素社会の実現を目指します。革新的なイノベーションや、エネルギー強靱性の向上を通じ、経済と環境の好循環をつくり出していきます。
コロナ禍で明らかになったのは、サプライチェーンの脆弱性です。日本企業の海外生産拠点の多元化推進、デジタル技術の活用、質の高いインフラの普及・実践により、サプライチェーンの強靱化を進めます。
経済の再生には、国際的な人の往来の再開も不可欠です。日本は、防疫措置をしっかり講じながら、グローバルな経済活動を再開していきます。また、海外の金融人材を受け入れ、アジア、さらには世界の国際金融センターを目指します。
世界経済の低迷により、内向き志向が強まりかねない中で、自由で公正な国際経済のルールづくりが重要です。
日本は、「信頼性のある自由なデータ流通」の考えの下、共同議長国を務めるWTO電子商取引交渉を始め、デジタル貿易に関する国際ルールづくりを主導していきます。
WTO改革を引き続き推進するとともに、RCEP協定の早期締結や、来年の議長国としてTPP11の着実な実施や拡大により、アジア太平洋自由貿易圏の実現を目指します。
APECは、アジア太平洋地域において、国際的なルールに従い、貿易・投資の自由化と連結性の強化を推進する重要な枠組みです。
APECの強みはAPECビジネス諮問委員会を擁することです。先日、委員の皆さんから提言を受け取り、デジタル化とイノベーションの活用が、この地域の経済的繁栄の鍵になるとの認識を強くしました。
APECでは、ボゴール目標に替わる今後20年の発展に向けたビジョンを議論しています。このビジョンの策定の議論に、APECビジネス諮問委員会や有識者の皆様から多大なる貢献を頂いていることに、改めて感謝いたします。
日本は、APECと共に、全ての人々が活躍し、成長を実感し、あらゆる危機に対して強靱で、持続可能な経済・社会の実現を目指します。こうした地域の繁栄の礎となるものが「自由で開かれたインド太平洋」であり、その実現にリーダーシップを発揮したいと考えます。
今後も、経済界の皆様との連携をより一層深めながら、APECにおける取組に積極的に貢献していきます。
御清聴、ありがとうございました。
(APEC(アジア太平洋経済協力)・CEOとの対話(結果)|外務省より引用。太字は当サイト管理人による。)
ツイッター上の反応まとめ
TPPを中国ルールに変えようという野心
正義のミカタでもいったが、これはTPPを中国ルールに変えようという野心。「ハードルが高い」ではなく、「ハードルを下げる」だよ→習氏、TPP参加「積極的に検討」 APEC首脳会議: 日本経済新聞 https://t.co/kbd4rYMvAW
— 高橋洋一(嘉悦大) (@YoichiTakahashi) November 21, 2020
菅総理の理想的なアピールに安堵
菅総理、「自由で開かれたインド太平洋」の重要性を述べながら、CPTPPを軸とした自由貿易の拡大を論じるという理想的なアピール。安堵。菅総理の復元力。■菅首相「TPP拡大で自由貿易を」 APECにメッセージ:日本経済新聞 https://t.co/JIbDvItjhr
— Yuichi Hosoya 細谷雄一 (@Yuichi_Hosoya) November 20, 2020
チンピラヤクザを善良なる市民のグループに入れるのと同じ
中国はWTOに加盟してやく20年が経っても知的財産権への保護や金融市場開放などの肝心な約束は一向に果たしていない。そんな国にをTPPに入れるのは、チンピラヤクザを善良なる市民のグループに入れるのと同じ。TPPにとっての自滅なのである。https://t.co/M9ApHBi2GH @Sankei_newsより
— 石平太郎 (@liyonyon) November 20, 2020
習近平の狙いはTPP参加を口実にした国内改革?
TPP参画を「口実」に国有企業に斬り込めるしな。米中対立ってよりも、実際に参画できるできないよりも、内政利用できるってのがありそう。
習主席「TPP参加を検討」 意欲表明は初(産経新聞)#Yahooニュースhttps://t.co/3QhmmGyfbD
— 中川コージ/ Dr.NAKAGAWA (@kozijp) November 21, 2020
どのような口実が考えられるのでしょうか??
あと本書いて欲しいです。— ヒライユウキ (@hiloudness) November 21, 2020
例えばTPPのハードルで、知財関係の規制は強いですな。
— 中川コージ/ Dr.NAKAGAWA (@kozijp) November 21, 2020
中国といえども流石に規制には建前が必要なのですね😅
— 式部 (@sikipurple) November 21, 2020
不勉強でお教えいただいのですが、例えば偽造品等の是正という事でしょうか?
— TAK (@Bz178054) November 21, 2020
知財一般を厳しくする(できる)のは大きい要因かと。
— 中川コージ/ Dr.NAKAGAWA (@kozijp) November 21, 2020
それが出来れば他国とのFTA締結の近道ということかな🤔
お忙しいのにご返信いただき、ありがとうございます!— TAK (@Bz178054) November 21, 2020
中国がTPPに参加するには覚悟が必要
中国がTPPに参加するには「国有企業の改革や工業製品の関税ゼロ、非関税障壁の撤廃などを高い水準で実現することも求められる」と。その覚悟ありますか?--習氏、TPP参加「積極的に検討」 APEC首脳会議:日本経済新聞 https://t.co/7GpvBGtlYR
— 清水功哉(日本経済新聞) (@IsayaShimizu) November 21, 2020
バイデンに警戒する中国
中国を利したトランプ大統領>予想外なことにトランプ政権時代の2017年1月、アメリカ合衆国は自らの意思でTPPを離脱。オバマ政権時代、アメリカがあれだけ苦労して敷いた中国包囲網は、こうしてトランプ政権に軽々と破って捨てられた=しかし、バイデン政権が誕生したら・・https://t.co/jvCnP1WyNr
— 紀藤正樹 MasakiKito (@masaki_kito) November 20, 2020
バイデンに警戒する中国。ポストトランプに向けて動きが早い>習主席がTPPへの参加検討を表明するのは初めて>TPP参加「積極的に考慮」=中国主席、APECで表明 https://t.co/X0WZCdL31t
— 紀藤正樹 MasakiKito (@masaki_kito) November 20, 2020
朝日新聞が喜んで報道
朝日新聞が喜んで見出しをつけて伝えてる点も加味する必要があるが、僕のRCEP論説を読んだ人はこの流れはよくわかることでしょう。もちろん批判的に僕はこの流れをみてます。
APEC開幕 中国・習主席「TPP加入、積極的に考えている」(朝日新聞) – goo ニュース https://t.co/HTF3Qz8wD9
— 田中秀臣 (@hidetomitanaka) November 20, 2020
田中秀臣氏のRCEP論説はこちら。
中韓同舟RCEP批判は的外れ、日本の使命は習近平の「オレ様」阻止 (田中秀臣) – オピニオンサイトiRONNA https://t.co/UNJlF8sPDL #iRONNA
— 田中秀臣 (@hidetomitanaka) November 17, 2020
10年近く前のTPPの時も「アメリカの陰謀がー」「日本がアメリカの支配に」というものがTPP批判の中心で、我々がTPP交渉のメリット・デメリットを丁寧に解説してもレイシズム的な誹謗中傷で大変に迷惑した。今度はRCEPでアメリカが中国に置き換わっただけで同様なことをしている人を見かける。進歩なし
— 田中秀臣 (@hidetomitanaka) November 17, 2020
ほんこん氏はロマンティスト
ほんこん氏「TPPは中国を入れへんために作ったのに、入れられて法律変えられたら、知的財産とかボロボロになってRCEPよりもっと怖いことなんのちゃうの?」
いつも鋭い正論を展開するほんこんさんですが、実はロマンティストで意外と恐がりなんですね。 pic.twitter.com/dnKWK550RH— take5 (@akasayiigaremus) November 21, 2020
アメリカがTPPで後手
アメリカがTPPで後手を踏んでる間に中国が迫ってきてるぞ😃 https://t.co/o9DHLj7pow
— ひがくぼきみお☀️🌾 (@higakubo) November 20, 2020
FTAAP(TPP+RCEP)へ向けた布石
APEC首脳会議で中国がTPP11参加への積極的な検討を表明。RCEP署名した途端にこの動き。FTAAP(TPP+RCEP)へ向けた布石ではないか?そもそもFTAAPはAPEC諸国の経済統合構想。RCEP署名でも発効までには時間がある。反対機運をさらに盛り上げるべきである。断固追及あるのみ。https://t.co/03ZVJ1lGGH
— 菊池 (@kikuchi_8) November 20, 2020
前掲記事に「機能不全に陥っている世界貿易機関(WTO)の改革や、アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)の実現を目指すことも確認した。」とある。これこそが裏権力の経済版NWO構想である。TPP+RCEP=FTAAP。新WTO=経済NWO。TPPやRCEPはほんの入り口に過ぎない。裏権力走狗が工程表通りに動き出している。
— 菊池 (@kikuchi_8) November 20, 2020
前々から申している通りである。グローバリストはTPPの次にRCEP、その先にFTAAP、最終的に新WTOの実現を狙っている。“陰謀論”に非ず。彼らがその工程表通りに動いている事がAPEC首脳宣言で裏付けられた。TPPやRCEPは入口だが、逆に言うと入口を阻止するとその先の計画も阻止される。断固追及の継続を。
— 菊池 (@kikuchi_8) November 20, 2020
「我々は、質の高い包括的な地域での取組に貢献するアジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)のアジェンダに関する作業等を通じ、市場主導による地域における経済統合を更に推し進める。」と宣言している。APECのグローバリストにとってTPPやRCEPは入口であり、真の狙いはFTAAPである。https://t.co/ngfP2Ey07H
— 菊池 (@kikuchi_8) November 20, 2020
「アジェンダ」なる言葉に注目すべき。裏権力走狗が好んで使う言葉である。アジェンダとは「議題」とか「工程表」などを意味する。ここではまさに「工程表」そのものと言えよう。「TPP+RCEP=FTAAP」という「工程表」が当初から設定されている。“TPP対RCEP”はフェイク。両建同根の弁証法戦略である。
— 菊池 (@kikuchi_8) November 20, 2020
「議題」という意味では「議題設定(アジェンダ・セッティング)」という思考誘導技術がある。議論の大枠を設定してそこから外れないように議論を誘導する手法。両建で二者択一に追い込む図式はまさに議題設定のやり方である。具体的には、「右と左どっちなんだ?」「TPPとRCEPどっちを選ぶ?」など。
— 菊池 (@kikuchi_8) November 20, 2020
裏権力の思想工作は議題設定が全てと言っても過言ではない。いずれかの思想派閥の枠に絡めとろうとする。特定の思想派閥の者は批判者を敵対派閥の人間と決めつける傾向がある。まんまと「アジェンダ・セッティング」に嵌められている訳である。両建批判者はあらゆる派閥から敵対派閥と決めつけられる。
— 菊池 (@kikuchi_8) November 20, 2020
中国が国内制度を変更するつもりがあるのかが見どころ
元々は中国を入れない仕組みを作るといって日米が始めたTPPが、アメリカの離脱によって中国が入るという余地が生まれた。非常に象徴的な動きだが、果たして中国が真面目にTPPの水準に合わせて国内制度を変更するつもりがあるのかが見どころ。 #NewsPicks https://t.co/pjyzyR6wsa
— Kazuto Suzuki (@KS_1013) November 20, 2020
アメリカのTPP離脱はトランプ政権の最も愚かな政策
「中国、TPP参加に意欲」 https://t.co/uYNhtbdmaY
トランプ政権の政策の中で最も愚かだったのが中国包囲網とも言われるTPPからの脱退だが、トランプが政権移行を拒否し米国が混乱する中、中国はTPPを乗っ取り逆に米国包囲網にしようとしている。日本のトランプ支持者はこういう動きに考えが及ばない— H.S. Kim (@xcvbnm67890) November 21, 2020