国会議事堂の土地・建物の所有者について、登記簿を調べました。
国会議事堂の住所
国会議事堂の住所(所在地)は、次の通りです。
〒100-0014 東京都千代田区永田町一丁目7番1号
この所在地の表記は、住居表示と呼ばれるものです。
不動産登記簿で調べるためには、住居表示から地番に変換する必要があります。
国会議事堂の土地の地番
国会議事堂の地番は次の通りです。
- 千代田区永田町1丁目2-1
- 千代田区永田町1丁目2-2
- 千代田区永田町1丁目2-21
- 千代田区永田町1丁目2-22
- 千代田区永田町1丁目6
- 千代田区永田町1丁目7
- 千代田区永田町1丁目50-1
- 千代田区永田町1丁目63-3
- 千代田区永田町1丁目63-8
地番が多いです。
地番と実際の位置関係をわかりやすくするために、衆議院のWebサイトに掲載されている国会議事堂の周辺図に地番を書き込んだ図がこちらです。
(上の図と実際の位置は少しずれているかもしれません。ご了承ください。)
国会議事堂の土地の半分以上の所有者は参議院
そして、上記の地番の登記記録を取り寄せました。
地番毎の所有者は、次の通りです。
- 千代田区永田町1丁目2-1→参議院
- 千代田区永田町1丁目2-2→参議院
- 千代田区永田町1丁目2-21→参議院
- 千代田区永田町1丁目2-22→参議院
- 千代田区永田町1丁目6→参議院
- 千代田区永田町1丁目7→参議院
- 千代田区永田町1丁目50-1→衆議院
- 千代田区永田町1丁目63-3→衆議院
- 千代田区永田町1丁目63-8→衆議院
先ほどの国会周辺図に、参議院に所有権がある箇所を囲んだのが、こちらです。
国会議事堂の土地の半分以上を参議院が所有していることが分かります。
驚くべきは、衆議院の議場の全部・衆議院分館の一部・衆議院第一別館の一部の土地の所有者が参議院ということです。
なぜこれらの土地を参議院が所有しているのか、衆議院規則や参議院関係法規のページを見てみましたが、根拠となる法規は見つかりませんでした。
国会議事堂の建物の所有者は不明確
国会議事堂の建物については、登記がありませんでした。
結論としては、国会議事堂の建物の所有者は国というほかありません。
原則として、建物を新築したら、登記をしなければなりません。
だから、国会議事堂の建物の登記がされてないのは問題ではないか、と思う方もいるかもしれません。
しかし、これは問題にはなりません。
なぜなら、国が所有する不動産(土地、建物)、地方自治体が所有する不動産(土地、建物)については、不動産登記法附則第9条、不動産登記法の一部を改正する等の法律附則第5条第1項により、当分の間は登記しなくてもよいことになっているからです。